地盤を調べよう!
弱い地盤だと不同沈下を起こし、建物が傾く可能性があります!
そうならない様に調査を行って調べる必要があります!
住宅地盤の主な調査方法はスクリューウエイト貫入試験(旧スウェーデン式サウンディング試験)があります。
この調査方法は、鉄の棒(ロッド)を地面に突き刺し25kgずつ最大100kgの荷重をかけて貫入させます。
重さだけで貫入しない場合は回転を加えて回転数を数えます。
重さを加えているので「じんわり」「ゆっくり」「ストン」など貫入スピードをみて「ガリガリ」「ジャリジャリ」「高反発」などの貫入時の音や貫入状態も記録していきます。
その数値を25cm刻みで記録していく調査になり深さ10m~15m辺りまで調査が可能です。
土の硬さを換算N値として表して、地盤の硬軟を表示します。
このN値というのはボーリング調査で得られる数値になります。
しかし、貫入方法が違うため換算式を使用してボーリング調査で得られる近い値とされています。
調査ヶ所は建物の4スミと真ん中で行います。
調査ポイント複数行うことにより面として全体の状態を把握できるメリットがあります。
だいたい、1ヶ所30分程度で測れるため
5ヶ所を調査する時間は半日程度で行えます。
費用は5万円程度から可能ですが、住宅メーカーなどを通して調査を行うので、最終的にマージンや地盤保証料などを含めた金額になると思われます。
換算N値3が基準
地盤の良い悪いの境目は、換算N値3が目安となります。
そのため換算N値3以上の地盤であれば
改良工事や杭工事は必要のない地盤となります。
そんな地盤は山地や台地などでないと、なかなか現れない数値です。
逆に低地や谷地などの低い地盤だと
換算N値3未満の数値となり地盤改良(柱状改良、鋼管杭など)が必要になります。
肝心なのは2.0m~3.0mまで
木造2階建て程度の建物荷重の影響は
深さ5.0m程度まで伝わると言われています。
調査の時は
特に3.0m程度までの地盤状態を注意して観察しています。
重さだけで貫入するのか?
回転を掛けて貫入するのか?
この範囲の状態で地盤補強が必要なのかを判断します。
それ以深の調査は、良い地盤、悪い地盤関係なく安定した地盤を確認するために行っています。
特殊な地盤
人の手が加えられることにより、地形が変わる造成地があります。
- 谷地や海などが埋め立てられる埋立地
- 山や台地などを切り崩し、盛り土をすることによる切盛土地
埋立地は
くぼんだ土地や低い土地を埋めて新たに土地を作ります。
土で埋めていれば良いですが、セメントを混ぜて固めていたり、ゴミやガレキを埋めている場合があります。
埋めた表層部分は固く、それ以深が軟弱な場合があります。
造成した年月が古ければ、埋め立ても安定している可能性がありますが、比較的新しい造成であれば地盤補強が必要になります。
切盛土地は
丘陵地などを切り崩し、斜面を平らにして土地を作ります。
切った部分はもともとの地盤ですが、斜面側に平らにならした盛土部分は新たな土地となり軟弱です。
その部分にまたがって建物の計画がある場合は、不同沈下の懸念があり地盤補強が必要です。
1ポイントだけ悪い
調査を行っていると1ヶ所だけ悪いデータが出る場合があります。
その場合は追加調査を行い範囲をさぐります。
建物のスミの部分であれば建物のタテとヨコ側に2か所、必要であれば斜め1か所を1.0m程度ずらして補足調査を行い真ん中のポイントであればタテヨコ4ヶ所を追加調査し同様なデータがみられれば範囲を広げて調査します。
範囲が大きければ、地盤補強が必要となります。
よくあるケースは
- 切盛土造成の盛土部分
- 大きく掘削した場所(樹木の伐根、埋設物の撤去など)
- 井戸があった場所
- 室(ムロ)や防空壕
などがあります。
1ポイントも調査できない
埋立地などで多いのですが、セメントを混ぜて固めていたりガレキなどで埋め立ていることがあり、貫入できず調査ができないことがあります。
なんとか貫入できたとしても調査のロッドを締め付けることにより、摩擦の影響で数値が良くでてしまうことがあります。
その場合は建物の範囲外でも追加調査を行い、本来の数値が得られる場所を探します。
道路の側溝と境界ラインで追加調査を行うと、埋め立ての影響が少なく本来の調査ができることがあります。
地盤調査報告書をお待ちください。
調査員は
地盤の地形や調査経験などからある程度、地盤の状況を把握しています。
ここはいい地盤だ!
ここは改良が必要だな!
と考えながら調査を行っています。
しかし、会社に帰ってデータを見直すと思っていたデータと違う場合があります。
なぜなら、調査データの記録は機械が行っている場合がほとんどだからです。
機械は25cm刻みの記録ではなく、もっと細かい数cm刻みで記録しているため、現場では大まかにしか把握できてないからです。
なので調査中の不用意な発言はできません。
聞かないで報告書をお待ちください。




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