柱状改良ってなに?

地盤ブログ

柱状改良とは

セメント系固化材(粉体)と水を混ぜてセメントミルクを作り敷地内の土を掘削・攪拌して地中に円柱状の柱を作り建物を支える工法です。

一般住宅の地盤改良では多く採用されている工法になります。

軟弱な地盤であっても改良体の周面摩擦とある程度の安定して層があれば、改良体の支持地盤として採用ができるからです。

基本の改良径は60cmで敷地条件や施工方法により40cm~80cmの径の施工もあります。
改良長は2.0m~8.0m程度で本数は30本~50本程度となります。

水を大量に使用する工事のため、敷地に水道設備を用意してもうらう必要があります。
セメントの量に対して60%~70%を改良に使います。

例えば
セメント量 10tとした場合、水の量は6㎥~7㎥必要になります。
そのほかに施工後の洗い水、清掃など使用します。

施工条件や工法の仕様などにより変わりますが施工日数の目安1日の施工総メーター数が100m程度となり改良長6.0mで本数30本であれば2日間の施工となります。

工事費用は、本数及び長さにより変わりますが、広さ30坪~50坪程度の工事であれば50万~100万円程度になるかと思われます。
プラス建築会社の管理費用がかかってきます。

工事は大掛かり

施工する重機は地中深くに穴を掘るため大きな機械となります。
施工機械はYBM社のGIシリーズがメジャーで、主にGI-50が多く使用されています。
施工機械重量は8t~10tとなり

  • 重機を積んで運んでくる大型トラック
  • セメント系固化材料を運んでくるトラック
  • プラントを積んだトラックなど

工事の段取りを組むまでが大変な工事となります。

本当に固まるの?

土とセメントミルクを混ぜて柱を作る工法ですが、相性の悪い土の場合は固まりにくいです。

  • 腐植土
  • ローム(火山灰質粘性土、赤土)
  • 埋め土(特にゴミなどが多く埋められた土)など

上記のような土は固まりにくく、基準値以上の強度がでないことがあります。

その場合は、セメントの添加量を増やすことや特殊なセメントを使用して施工を行います。

六価クロムの懸念

セメントを生成すると六価クロムが出現します。

作られた段階では微量ため問題はないのですが、土との化学反応により基準値を超えることがあります。
気になるようであれば事前に調査をする必要があります
一般住宅の場合は、費用が掛かるため事前調査をすることはあまりないです。

施工のデメリット

柱状改良は鋼管杭などと比べると、比較的安価な地盤改良となりますがデメリットもあります。

プラントでセメントミルクを作るときに、粉体のセメントを使用するので粉が舞ってしまいます。
そのため、近隣への配慮が必要になります。

土とセメントミルクを高速で攪拌しているため、ヘドロ状の土が飛散し汚してしまうことがあります。

建て替えや土地を売る場合に、柱状改良の撤去が必要になる可能性があります。

撤去の方法として
改良径より一回り大きい管を回転して貫入させ、改良体と土の縁を切り改良体にワイヤー掛けて引き抜く方法
改良体を壊しながら掘削して破壊する方法などが考えられますが、多額な費用と敷地の広さが求められます。

狭小地の場合は取り除くのは難しいです。

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