鋼管杭ってなに?

地盤ブログ

鋼管杭とは

戸建て住宅で使用する鋼管杭は、鋼管径114.3mm 肉厚4.5mmの仕様が多く使わています。
これよりも細い径や太い径もあり、厚みもいろいろあり地盤や施工条件などにより変更されます。

昔は鋼管を埋め込むだけでしたが、先端部分にスクリュー状の羽をつけ支持力を上げるモノが一般的になっています。

施工の深さは15m程度が目安でそれ以上の施工の場合は、戸建て住宅では費用が掛かりすぎるため採用されにくいです。
材料が鉄のため、費用がかさむことから地盤改良の場合の多くは柱状改良の施工となります。

柱状改良の施工ができない現場

  • 軟弱すぎる地盤のため改良体を支持できない
  • 敷地が狭い(搬入やプラントの設置ができない)
  • 腐植土などでセメントの使用が懸念される
  • セメントの粉体が舞うことが許容できない現場
    など

上記のような条件があるときに鋼管杭の採用となります。

施工日数の目安は条件や工法の仕様などにより変わりますが、1日の施工総メーター数が100m~150m程度となり杭長10.0mで本数30本であれば2日間の施工となります。

工事費用は、本数及び長さにより変わりますが、広さ30坪~50坪程度の工事であれば60万~200万円程度になるかと思われます。
プラス建築会社の管理費用がかかってきます。

施工はコンパクト

施工重機は建柱車が主な施工機となります。

建柱車とは、電信柱を建てる時に使用するトラックなんですが、これを使っている所が多いです。

ほかには、柱状改良の機械で鋼管杭を回せるようにしている機械や、ショベルカーの先を改造してモーターに付け替えた機械などがあります。

敷地に施工機と材料さえ入ってしまえば施工は可能です。
材料も現場で溶接してしてまえば、つぎ足しが可能なため狭小地での施工・搬入が容易になります。

鋼管杭のデメリットは?

デメリットは柱状改良より高価なことぐらいです。

支持される安心感

地盤改良の多くは柱状改良が多く施工されていますが、施工の手間や改良の固化不良の懸念などがあり
地盤改良として安心できるのは鋼管杭になります。
強固な層で支持して建物を支える方が安心だからです。

支持層の判断は設計者により変わりますが、N値10以上が1m以上あれば戸建て住宅の支持層としてみてよいと思います。

杭ではない地盤改良です!

さんざん杭と言ってきましたが

建物の杭といえるのは、建物と杭が一体となっている場合のみです。

戸建て建物の場合はマンションなどの建物に比べると、基礎が薄く一体にできないことから鋼管杭の上にのせる形になります。

このことから地盤改良となります。

撤去の方法

建て替えや土地を売る場合に撤去が必要になる可能性があります。

撤去の方法として杭径、羽径より一回り大きい管を回転して貫入させ土の縁を切り杭にワイヤー掛けて引き抜く方法があります。

または杭を逆回転させて引き抜く方法があります。
うまくいけば、安価に撤去ができますが杭が細すぎて、ねじ切れてしまう恐れがあります。

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